ラクラウは、ポピュリズムを、社会を二つの陣営に分断する政治的フロンティアを構築するとともに、「権力者」に対抗する「敗者 (underdog)」を動員する言説戦略であると定義している。ポピュリズムはイデオロギーではないし、特定の内容をもつ〔政治的〕プログラムから生まれるものでも、一箇の政治体制でもない。それは時と場所に応じて、多様なイデオロギー形態をとることがあるし、様々な制度的枠組みとも両立する政治技法(way of doing politics)である